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登録有形文化財
5.旧東北帝国大学理学部生物学教室
Formerly Faculty of Science’s Biology Lecture Rooms at Tohoku Imperial University


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理学部生物学教室 理学部生物学教室 理学部生物学教室 理学部生物学教室 理学部生物学教室 理学部生物学教室

建設年:1924(大正13)年
構造・階数:鉄筋コンクリート造3階建
建築面積:668㎡
現在位置:A19 東北大学本部棟 7
登録年:2021年


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 旧東北帝国大学理学部生物学教室は、片平キャンパスの西側を走る片平丁通りに面したキャンパス北西角に位置する建築です。 当該建築は国有財産台帳によると1921(大正10)年起工、1924(大正13)年に完成しました。建築主は東北帝国大学であり、起工時営繕に係る責任者は営繕課長の中島泉次郎でした。 中島は1912(明治45)年から東北帝国大学技師となり理科大学(現存せず)など初期の東北帝国大学の建築に携わりました。

 本建築は北側を正面とし、北西角に円形コーナーと、南東方向に伸びる鋭角な敷地形状に合わせたくさび形平面を持つ3階建の鉄筋コンクリート造建築です。 屋根は陸屋根、北・西面の道路側の外壁は縦方向に帯状の褐色レンガ面と縦長の窓を持つコンクリートの面で構成されています。 また、中庭側の外壁はモルタルに塗装仕上げとなっています。
 玄関は当初、北面の中央部に配置されたデザインでしたが、1995(平成7)年の減築により現在は北面の東端に位置する形となっています。玄関周りにはレリーフ装飾が施され、入口ドアの両脇にはつけ柱が2本ずつ配されています。
 内部は中庭側に廊下を配した片廊下の平面である。3階建ですが1階は半地下となっており、半地下部分には建設当初は材料室、飼育室、標本室などが配されていました。 ドライエリアを設けずに各部屋の上部に設けられた窓で採光、通風を行っています。 また2階以上には廊下に沿って研究室、講義室などが配されていました。

 東北帝国大学は、1947(昭和22)年に東北大学に改称、1949(昭和24)年に新制大学へと改組され、本建築も所管が引き継がれました。 その後1969(昭和44)年の理学部の青葉山移転に伴い、本建築は一部を金属材料研究所が使用するかたちで残され、1990(平成2)年に放送大学として使用するために2階の内部を改修、 1995(平成7)年には東端の一部を解体する減築工事を行っています。 さらに1998(平成10)年には放送大学の使用範囲の拡大に伴う2、3階の内部改修、2019(令和元)年には耐震改修、木製建具からアルミサッシへの変更などの大規模改修を行い、 エントランス空間を間仕切って設けられていた倉庫を撤去し、玄関周辺を旧態に復しました。 また、玄関には当初吊り庇が設けられていましたが、現在は撤去されています。

 2022年には1階に「東北大学ギャラリーひすとりあ」がオープン。東北大学の歴史、学術成果などを紹介しています。

 仙台で最初期に建てられた鉄筋コンクリート造建築であり、ゼツェッション様式風の玄関廻りや西側の周辺の道路から垣間見える円形コーナーの美しさは建築、都市景観的に秀逸であり、東北帝国大学初の鉄筋コンクリート造校舎建築としても歴史的価値があります。