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青葉山新キャンパス
新キャンパス構想の経緯
History

片平・雨宮地区等の移転に関わる新キャンパス整備大綱 建物等配置計画:キャンパスの構成、配置等

(平成11(1999)年10月19日評議会において承認)

1. 基本方針
 キャンパスの構成、建物の配置等については、青葉山の豊かな自然と緑の保全、新たな緑の創出、自然環境と調和した景観、地球環境に配慮した環境負荷の少ない共生型のキャンパスの創造を図らなければならないことはいうまでもない。
 しかし、キャンパス移転は長期に亘る段階的施設整備が通例であり、整備過程における移転部局の運営が円滑に行われるよう十分な移転計画および配置方針についての検討と既存キャンパスをも含めた土地利用、空間配置および環境等の長期計画を策定する必要がある。

(1)土地利用について

  1. 新キャンパスは、自然環境および緑地保全の観点から、現状の緑地帯や傾斜地の改変を抑制し、平坦面の利活用を優先する。
  2. 新キャンパスは、現状の地形・地勢を活かした空間配置と周囲の自然環境に整合した建物デザインとし、土地利用効率や景観維持のために地下利用方策も考慮する。
  3. 新キャンパスの敷地は、部局独自の教育・研究の主体性尊重の原則を踏まえつつも部局合意のもとに総合的な使用および一体的管理を原則とする。
    このことは、新キャンパスの利用可能な敷地が限られており、将来の組織等の変革に対応可能なキャンパスとする必要があることおよび成長スペースの確保ならびに自然環境の保全等の観点からも望ましいと考えられる。
  4. 新キャンパスは、仙台市の貴重な緑地帯である青葉山への移転であることから、市民等の「声・要望」を尊重する必要がある。
    土地利用および環境計画等については、計画の段階から適宜情報を提供し、理解を得ながら進める。

(2)建物等配置について

  1. 新キャンパスは、自然環境と調和した建物等配置とし、青葉山キャンパス全体としての統一を図る。
  2. 本学に対する多様な社会的要請および教育・研究の進展・高度化等に対処する必要性から、教育・研究関連施設、コンベンション施設や厚生施設等については、全学的視野で検討を行い、現川内・青葉山地区を含めた一体キャンパスとしてのメリットを最大限発揮できる配置とする。
  3. 移転部局の建物配置は、部局独自の研究学理の主体性の尊重を基本としつつも、学生・教職員等の移動の容易性および研究分野の関連性・機能性等を考慮した「複数の部局を統合したゾーン配置」を基本とし、その規模は、将来の拡張に対応可能なスケールとする。
  4. 青葉山キャンパス全体のほぼ中央に建設が予定されている仙台市東西線・青葉山駅(仮称)周辺をセントラルコアとして位置付け、既存の大型計算機センター(現・情報シナジーセンター)、学際科学研究センター(現・学際科学国際高等研センター)、未来科学技術共同研究センター等の共同利用施設群とともに、事務局庁舎等を配置する。
    なお、併せて文化施設を含むキャンパスショッピングモール進出の余地を確保しておく必要がある。
  5. 新駅とキャンパス

  6. 仙台市東西線・青葉山駅(仮称)を中心として歩行可能な範囲(半径800m程度)内に移転部局を含む青葉山キャンパス全体が配置されることが望ましい。また、歩行距離半ばの広場等をサテライトコアとして位置付け、主に移転部局が利用する共用施設群を配置する。
  7. 徒歩圏と諸機能

  8. 新キャンパスの建物等は、高低差のある現状地形を活用し、半地下・部分地下等、地下スペースを利用した駐車場、機械室等を検討するとともに、キャンパス内移動の利便性およびバリアフリー(入り易さ)を十分考慮する。

2. 建物の内外観等

  1. 建物の外観は、階層・色調・素材・デザイン等の統一と自然空間との調和を図ることとし、新キャンパスに近接する風致地区(竜ノ口渓谷および植物園等)との景観についても十分配慮する。
  2. 建物の内部は、湿潤感のある素材および色調とし、エントランス・廊下等の共通部分は、開放的空間の確保と自然採光および天然素材の利用等についても考慮する。
  3. 新キャンパスの中心部周辺(サテライトコア)に、アカデミックな雰囲気のシンボル的施設等の建造について考慮する。

3.新しい機能の創出のための共用施設等の配置

  1. 新キャンパスにおいては、新機能の創出のため、近接した教育・研究関連領域および分野の機能的配置と交流施設(スペース)の設置について総合的に検討する。また、将来の教育研究の多様化および研究領域の進展等の広範な用途に対応できるよう、多機能な共用施設等の設置についても検討する。
  2. 新キャンパスにおいては、教育・研究施設の機能性を考慮した集中配置と将来の成長スペースの確保や有効利用の観点から、可能な限り建物・施設の統合を図り、原則的な基準(規則)および運用システムを定め、効率的利用および公平性を確保するための共用管理形態を検討する。
    なお、部局単位の教育・研究の主体性尊重の原則を踏まえつつも、管理部門、技術部、図書室、工場等の集約についても考慮する。
  3. 新キャンパスにおいては、気候を考慮し、部局間連絡通路(コリドール)を設け、移動の利便性を確保する。
  4. 新キャンパスにおいては、汎用的性格の強い共用施設について重複配置は避け、効率的運用を図る。

4.施設におけるエネルギー対策

  1. 施設の維持管理については、その種類や用途、規模に応じ、熱源、設備方式等の経費節減の諸方策をバランス良く組み合わせることにより、ランニングコストを低廉に抑える効率的なシステムの導入を計画する。
  2. 施設を永く活用でき、省資源・省エネルギーなど、環境への負荷の軽減に配慮した施設整備を推進する。