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青葉山新キャンパス
新キャンパス構想の経緯
History

片平・雨宮地区等の移転に関わる新キャンパス整備大綱 環境計画:キャンパスの緑の環境と資源の有効活用

(平成11(1999)年10月19日評議会において承認)

1. 基本方針
 新キャンパスは、自然と調和した美しい景観が望まれている。これは、自然環境の保全や美しい街づくりという社会的要請に沿うとともに、創造性あふれる教育研究の場をつくるためにも欠かすことのできない要素である。
 本学の川内・青葉山キャンパスを包含する青葉山丘陵は、奥羽山脈から連続する緑地の東端に位置し、緑地規模および希少価値において優れた自然環境を形成しており、「杜の都仙台」のシンボル的な緑のゾーンとして広く市民等に親しまれている。
 これらの自然環境との調和と省資源・省エネルギー、リサイクル等に配慮した環境共生型キャンパスの創造を新キャンパス整備の理念として位置付ける。

  1. 新キャンパス整備計画を進めるにあたり、自然環境との調和を基本的フレームワークとし、現存する緑地の保全や生態系の維持に努めるとともに、新たな緑の育成を図り、青葉山一帯の景観と調和した緑に覆われたキャンパスとして整備する。
  2. 天然資源の枯渇あるいは減少ならびに土壌および大気汚染等の環境問題を喫緊の課題として認識し、学生・教職員のキャンパス内外における環境保全に関する意識的活動と積極的参加を促し、各種廃棄物の抑制・削減、省資源・省エネルギーによる環境汚染の防止さらにはリサイクルなど環境全般のオピニオンリーダーとしての意識啓発を図る。
  3. 新キャンパスにおける環境の維持・運営については、学生・教職員の一体となった自主的取り組みとシステム化された体制の整備が不可欠であり、環境保全設備の整備、数値目標の周知徹底、行動計画および点検・評価項目等を定めた環境管理システムを構築し、環境負荷の少ない快適なキャンパスの創造を図る。

2. 自然との調和

  1. 市民の貴重な財産である青葉山一帯の自然環境及び景観の維持については、新キャンパス移転整備計画にあたっての社会に対する責務の最優先事項としてとらえ、生態系及び緑地の保全に最大限の努力する必要がある。
  2. 青葉山一帯の急斜面等の緑地帯については、植生学・自然保護・崖地保全・生態系の維持等の面から現状のまま保全する。また、並木や公園、広場等の維持管理の必要な緑地帯と、部分的にメンテナンスを必要とする二次林、急斜面に残る手を加えない自然林を明確に位置付け、用途・目的に応じた利活用を図る。
  3. 建物、実験圃場及び調整池等の配置については、自然との適正な調和を図り、景観的観点からも稜線への配慮及び遠景・近景に対する影響等を総合的に検討し整備する。

土地形状と土地利用

3.緑の育成と創出

  1. キャンパス内の緑と周辺の生態系は、隣接する竜ノ口渓谷及び本学の植物園、青葉山公園構想、青葉城址、青葉の森緑地、蕃山、太白山等と連続したネットワークの一部としてとらえ、それぞれの管理者と連携を図り、その保全・育成に努める。
  2. 緑地の連続

  3. 新キャンパスの緑空間を周辺緑地等からの連続性のあるユニバーシティパークとして整備し、地域コミュニティの場として学外に開放する。
  4. キャンパス内の樹木は、高低木、常緑・落葉木及び花・紅葉木等の景観的側面と土壌・気候等の生育環境面を考慮し、郷土種を中心とした植栽を行いキャンパスにふさわしい緑の創出を図る。

4.エネルギーの効率的運用

  1. 新キャンパスにおいては省エネルギーのための諸施策に密接に関連する気候・立地等の自然条件の把握、日照・風等の自然エネルギー利用のための施設配置及び建物構造等について総合的な検討を行い、実験的・試行的省エネルギー対策と複合した先駆的システムを構築し、環境負荷の少ないキャンパスの実現を図る。
  2. 省エネルギー対策にキャンパス全体で取り組むとともに、新たな熱源及び電力確保のための方策についても合わせて検討する。現在考えられるシステムとしては太陽光熱、風力利用、廃棄物発電、熱回収、コジェネレーション、夜間電力による氷蓄熱式空調、下水の廃熱を利用したヒートポンプなどがある。
  3. エネルギーの効率的運用と自然エネルギーの有効活用策として建物の高気密・高断熱化及びパッシブソーラーシステムを導入する。また、環境への負荷の軽減と経済的効果の両面から、事務機器等の待機電力、居室・廊下等の照明及び冷暖房等の空調機器等の節電等の励行・徹底を図る。
  4. 気候とシステム

5.廃棄物の処理と資源リサイクル

  1. 新キャンパスの教育・研究活動により発生する無機系・有機系の廃棄物については、これまで以上に減量化、安全処置、リサイクルに努め、新たな無害化システムに向けて学生・教職員一体となった自主的取り組みを行い総合的な環境保全を図る。
  2. キャンパスから排出される使用済みあるいは不要となった紙・ビン・缶・プラスチック類等は再利用や再生利用が可能なリサイクル資源とし、最小限の廃棄と徹底した分別収集を行い再資源化を図る。また、食堂からの生ゴミの堆肥化についてリサイクルの実現を図る。
  3. 大学において最も消費量の多い紙類の減量・抑制を図るため、本学の学内情報通信網(LAN)を活用したぺーパーレス化を積極的に推進するとともに、各種定期刊行物・印刷物及び通知文書等の周知方法の見直し、会議資料の簡略化及び両面コピーの励行等についても周知徹底していく。

6.水循環システム

  1. 雨水をキャンパス内外の自然環境保全に十分に活用する方策を採用する。そのため降水量の多い時期の竜ノ口渓谷や広瀬川への流出影響を緩和する屋上の保水装置、調整地等の効果的な設置を検討する。また、雨水をできるだけ地面に浸透させ、理学部附属植物園、川内等への地下水の供給を促進するよう、路面の透水性ブロック舗装、雨水浸透枡等の整備を図る。
  2. 水資源の有効活用と農学研究科の水需要を考慮し、建物の屋根面や駐車場の雨水を集める貯水槽を設置し、実験圃場等への散水、防火用水、トイレ用水等に利用する雨水利用システムの導入を図る。
  3. 水質管理及び環境保全対策は学生・教職員一体となった自主的取り組みによって万全を期すとともに、新キャンパスの構内排水はキャンパスの地形的要素を活用したエコテクノロジーによる水路浄化法及び微生物や活性炭等を利用した物理化学的浄化法等の処理対策に積極的に取り組む。