△現況標高分布図
△現況傾斜率分布図
△ゴルフ場造成中の敷地(国土地理院撮影の空中写真<昭和36年撮影>)
新キャンパスは、青葉山山頂に程近い起伏の激しい場所に位置します。竜ノ口沢支流の上流にあたり30m近い落差のある崖地を包含し、大きくは海抜150〜180mの丘陵地となっています。
全体的には南西に上り勾配の傾斜地となっていますが、敷地は、ゴルフ場としての造成がすでにされており、フェアウェイ部分は比較的平坦な土地となっています。敷地北東部の既存青葉山東キャンパスに続く部分に、海抜155m前後の比較的平坦な土地があることが読み取れます。また敷地南西部にも、海抜175m前後のまとまった平地が存在しています。
傾斜率を見ると、竜ノ口沢周辺および敷地西端を中心に、傾斜率20%を超す急傾斜地が分布しています。これに連続して傾斜率10〜20%の部分が広がっています。
特に竜ノ口沢周辺の傾斜率20%以上の箇所など、谷間に土砂が流出し、生態系への影響が生じるおそれのあるエリアにおいては、極力土地の改変を行なわないことが望ましいと考えられます。
△現況樹木分布図
新キャンパス周辺は青葉の森緑地・竜ノ口沢など自然環境に恵まれた地域です。
敷地内部の緑地は、竜ノ口支流を覆う樹木により構成されている「特別環境保全区域」および森林図において指定されている「地域森林計画対象民有林」、上記以外の「樹林」に区分されます。
△現況水系分布図
仙台市を流れる河川は、多くが山形県との県境にある奥羽山脈に水源を持ち、西から東へ流下し、太平洋に注いでいます。これらの水系は、北から七北田川水系、広瀬川水系、名取川水系の3水系に大別され、新キャンパスは広瀬川水系に属します。
現況の傾斜分布により分水域①(敷地西端)は西側道路側に、分水域②(敷地中央および北部)は三居沢水系に、分水域③(敷地北西部)は北側道路側に、分水域④(敷地中央および南東)は竜ノ口沢水系に、それぞれ雨水は流れています。
太平洋に面した海岸性気候のため、寒暖の差が少なく、冬に奥羽山脈を越して吹きつける北西の風が乾燥しているために積雪が少ないのが特徴です。
仙台は冬期に降雪が少ないですが、最低気温が氷点下となることが多くあります。したがって路面の凍結などについて、その対策を十分に考慮する必要があります。
夏は海からの南東の風が、冬は山からの北西の風が強いことが知られています。特に中間期の海風は低温で、仙台の梅雨は涼しいというのが特徴となっています。
風速は年平均が1.8m/sであり、一般的に風力発電に必要とされる5.0m/sには大きく及びません。
仙台の年平均日射量は104.9kwh/㎡で全国の平均値に近い値です。また、冬季の降水量が少なく、冬季も日射量がある程度確保できます。日射条件の良好な場所では年間を通して太陽光発電が期待できます。
青葉山・川内キャンパスとの関係、特に青葉山東キャンパスとの連続性に配慮した一体感のある土地利用を図ることが必要です。また、地下鉄東西線青葉山駅の開通時には、宮城教育大学の学生・教職員や地域住民の利用も見込まれ、学外者の利用を意識したキャンパス計画とする必要があります。
新キャンパス西側には、旧石器時代の遺跡として登録されている青葉山C遺跡があり、局部磨製石斧が採取されています。今後の開発に伴う取扱いについては、開発事業に係る埋蔵文化財の事務手続きの流れに従い、適切に行うものとします。
新キャンパス内に平成27年開業を目指し仙台市営地下鉄東西線青葉山駅が建設予定です。東西線は南西部の八木山動物公園付近から青葉山駅・川内駅を経由し、仙台駅付近を経て仙台東部道路の東インターチェンジや仙台港付近にいたる路線であり、仙台都心からのアクセスが容易になるなど、交通の利便性の向上が期待されます。また、将来的には新キャンパス南部への新駅の設置も望まれます。
現在事業中の都市計画道路川内旗立線が敷地東側を地中式で通過する予定です。新キャンパスの利便性を高めるために、この計画道路へのアクセス道路および北西部へのアクセス道路の整備が望まれます。
△新キャンパス周辺の景観資源
(この図の作成にあたっては、国土地理院発行の20万分の1の地形図を使用しました。)
新キャンパス周辺には、東に太平洋、西に権現森・太白山、遠景には泉ヶ岳・蔵王連峰などが位置し、眺望に恵まれた立地となっています。
特に旧クラブハウス周辺の高台からは、竜ノ口沢方向に仙台市街・遠景の太平洋までが一望され、夜景も含め雄大な景観が期待できます。