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青葉山新キャンパス 
新キャンパス構想の経緯
History

東北大学青葉山キャンパス憲章

(平成8(1996)年7月31日総長からの意見の求めに対して青葉山環境保全懇談会から提言)

 緑豊かな青葉山には、国の天然記念物であるモミの自然林始め竜ノ口渓谷など貴重な自然を有しているほか、仙台城本丸跡や二の丸跡など数多くの歴史的、文化的遺産が残されており、学術的にも貴重な自然環境である。
 また、青葉山は「杜の都」仙台のシンボル的存在であるので、市民の貴重な財産として、その保護と保全には万全な措置が取られなければならない。
 東北大学が構想する新キャンパスは、現東北大学川内・青葉山キャンパスに加えて、青葉山県有地及びその周辺を含む一体的な青葉山丘陵地域の緑を可能な限り保護するとともに、新たな緑の創出にも努めながら、主要な教育研究施設の移転統合を進める。
 緑豊かなキャンパスは、創造性豊かな人を育て、独創的学術研究を生み、また、ユニバーシティ・パークとして自然散策路、最先端の学術研究や文化に触れる交流の場等が配置され、自然との調和を図るとともに市民との出会いを求め、地域社会と共生する世界に誇れるキャンパスを目指すものである。
 自然を尊び、自然との調和を損なうことなく、節度ある利用と活用に努め、緑豊かなすぐれた環境を創出するため、ここに東北大学青葉山キャンパス憲章を定める。

[緑の創出]
 青葉山及びその周辺は、緑豊かな丘陵や竜ノ口渓谷等の学術的にもすぐれた自然環境に恵まれ、「杜の都」仙台の都市としてのアイデンティティと誇りを象徴するすぐれた自然を形成していることに鑑み、新キャンパスは、周囲の自然環境と整合する緑の森を創出してその育成と維持に努める。

[景観の維持]
 新キャンパスには、緑の森の育成により周辺の青葉山の自然と融合した美しい景観が形成されるので、移転新設される諸施設は自然の地形・地勢を活かした適切な空間配置と建築デザインに配慮し、駐車場等は緑地や運動場施設等の地下を活用して地下化に努めるなど、美しい景観の維持を図る。

[環境の保全]
 新キャンパスにおいては、資源やエネルギーの省力化、効率化を図るほか、排水、廃棄物等の処理にあたっても、基準の厳守はもとより、再利用等についても英知をもって対処し、青葉山丘陵の自然を損傷し、生態系の機能を破壊することのないよう環境保全に努める。

[キャンパスの開放]
 東北大学は、教育研究の肺胞及び大学施設の公開に努めてきたが、新キャンパスにおいては、ユニバーシティ・パークとして市民が緑豊かなキャンパスに親しみつつ自由に散策できるように配慮し、これまでより以上に積極的に市民に開放し、また、最先端の学術研究や文化に触れる交流モールを設けるなど、大学と市民との出会いを図り、新たな都市文化の育成に努める。

 東北大学の新キャンパスは、すぐれた自然環境をもつ美しい街づくりという社会的要請に応えるとともに、その美しい環境を得て、世界に卓越した教育研究の拠点大学として、最先端の学術研究と創造性あふれる人災育成のため、教育研究機能の向上に努めなければならない。