logo

青葉山新キャンパス 
新キャンパス構想の経緯
History

青葉山県有地への東北大学キャンパスの早期移転を求める請願書

(平成8(1996)年3月5日 東北大学の青葉山移転を進める会から県議会宛に提出)

宮城県議会
 議長 高橋 健輔 殿

青葉山県有地への東北大学キャンパスの早期移転を求める請願書

1. 請願の要旨
「宮城県の青葉山県有地の土地利用に関する懇談会」の報告書の主旨を尊重し、東北大学の青葉山県有地への早期移転を実現して頂くよう請願します。

2. 請願の理由
 東北大学は明治40年(1907年)、東京大学、京都大学に次ぐ我が国3番目の帝国大学として仙台に創立され、「研究第一主義」と「門戸開放」の学風の下に国内外の学術研究の進展に貢献するとともに、地域の発展にも大きく寄与してきました。
 しかし、現在は片平、川内、青葉山、星陵及び雨宮の5地区に主要キャンパスが散在し、特に片平、雨宮地区キャンパスは老朽化が著しく本来の機能の発揮に多大なる支障をきたしております。このため東北大学の今後の発展を図るには、新しいキャンパスづくりを中心とした全学的な抜本的整備を図る必要があります。
 また、東北大学の青葉山移転は早期着工が期待される東西交通軸の採算性を改善しその実現に見通しを与えることになります。それによって後背地の利便性は増し、仙台の公共交通体系は充実することになります。
 これは単に東北大学に関することのみならず、明日の仙台、21世紀の宮城県ひいては東北、我が国のさらなる発展のためにも大きくかかわってくると考えます。
 既に東北インテリジェント・コスモス構想宮城県委員会では青葉山地区を中心としたアカデミカルパーク・プランを打ち出し、宮城県総合計画、仙台市総合計画でも全国的に知られる「学都仙台」の再構築を目指しています。
 国内では京都府、大阪府、奈良県が「関西文化学術研究都市」、また兵庫県では「播磨科学公園都市」といった大規模な学園都市づくりを次世代を目指した総合的な地域プロジェクトとして推進しています。
 青葉山県有地の利用については、ゴルフ場を東北大学キャンパスに充てるといった単一的な視点ではなく、東北地方の中心都市仙台の未来に向けた改善など、来るべき新時代への動向を踏まえた総合的な視点のなかで検討することを強く望むものであります。
 青葉山地区に東北大学キャンパスを建設することについては緑を破壊してコンクリートの建造物群を建てるだけではないかという批判意見もあります。
 しかし青葉山利用懇談会では、青葉山丘陵地帯の自然環境保全を移管の条件としており、東北大学側も計画策定、建設に当たっては専門家を含む学内外の意見等を十分に聴取し、またそれらを公開しながら進めると約束しています。
 我々請願者側もキャンパスづくりに当たっては、東北大学、文部省サイドだけでなく、宮城県、仙台市、県民、市民、学生も参画することを要請したいし、仙台市全域にわたるトータルランドスケープ・デザインの視点から整備を進めて欲しいと願っております。
 なお、片平、雨宮地区の跡地利用については、大蔵省の国有財産地方審議会の審議を通じて、東北地方の中心都市仙台にふさわしい品格のある都市空間として利用されることを強く願うものであります。

以上の通り請願いたします。

請願者
東北大学の青葉山移転を進める会
会長 堀田 康哉(署名人 55名)