東北大学片平キャンパスにある以下の5つの建物が、近く国の登録有形文化財へと登録される予定となっています。
①魯迅の階段教室
この建物は、1904(明治37)年に仙台医学専門学校の六号教室として建てられました。
魯迅は仙台医学専門学校に入学し、その後小説家に転身した中国の文豪・思想家です。
当時この教室ではドイツ語や物理学、化学などの基礎科目の講義が行われていました。
名前にもある通り、階段教室なのですが、建物から出て外を回ると窓も階段状に並んでいます。今は学術目的での見学が可能で、中国からも多くの人々が訪れています。
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②東北大学本部棟3
この建物は、仙台医学専門学校博物・理化教室として、1904(明治37)年に建てられました。今は事務室などに利用されています。
基礎はレンガで、外壁はドイツ下見と南京下見という2種類の下見張りの様式が見られます。屋根は黒い瓦です。
外壁周りや建具・戸当たり等建築当初の状態が残っており木造の大学校舎という明治時代の雰囲気を伝える残り少ない建築の一つとして貴重なものとなっています。
△ドイツ下見
△南京下見
③文化財収蔵庫
この建物は、1887(明治20)年に建てられ、もとは旧制第二高等学校の書庫として使われていました。
現在は考古学関係の収蔵庫として使われています。
建物の四隅と壁の中央には補強を目的とした添え柱があり、下の階に行くほど太くなっています。
基礎には色の異なるレンガが使われ、さらに切石を敷き、その上にレンガがイギリス積みで積み上げられていきます。また窓も階ごとに異なる装飾が施されています。
明治維新後、全国に建てられたレンガ造建築の歴史を伝える遺構であり、仙台市内には他に例のない貴重な財産となっています。
④東北大学史料館
この建物は、1926(大正15)年に建てられました。
1度改修されたものの、当時の雰囲気を残した歴史あるとても貴重な建物です。
この史料館はもともと、東北帝国大学附属図書館として建てられ、1階に館長室、事務室、来賓室、教官閲覧室等、2階に学生閲覧室が配されていました。
今は東北大学史料館として、貴重な史料などを多数保存、公開し、アーカイブに力を入れています。
建物は、全体的に洋風の造りですが屋根は瓦葺きとなっているなど「和洋折衷」の造りとなっており、とても印象的です。
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⑤東北大学本部棟1
この建物は、東北帝国大学理学部の化学教室棟として、1927(昭和2)年から1935(昭和10)年にかけて建てられました。当初は、会議室や実験室が多く設けられていました。
今は東北大学の本部棟として使われています。建設当時から変わらない大玄関や、外壁のタイル一つ一つにスクラッチタイルが用いられているなど、細かなところも見所です。
△スクラッチタイル
この記事は、職場体験で東北大学を訪れた宮城野中学校の生徒たち3名が作成しました。
2018年08月25日
(テクルペ「東北大学コラム」より転載)