東北大学片平キャンパスには、仙台市の保存樹木に指定されている木をはじめ、たくさんの木々が植えられています。
片平キャンパス北側
メタセコイア
この木はメタセコイアというとても大きな木です。
メタセコイアは、かつては日本を含む北半球で化石が発見されるのみで、絶滅した植物と考えられていましたが、1945年中国で現存しているのが確認された植物です。
「生きた化石」とも呼ばれています。
メタセコイアの樹高は、成長すると25~30mになり、幹は直径1.5mにもなります。
葉の形は、モミやネズに似て線のように細い形をしており、長さは3㎝程度、幅は、1~2㎜程度で、秋には赤茶色に紅葉します。
片平キャンパスには何箇所かにメタセコイアが植えられていますが、この写真の樹は仙台市の保存樹木に指定されているものです。
片平キャンパスの北西の端、放送大学(旧東北帝国大学理学部生物学教室)の南西側にあります。
△メタセコイア(別名 アケボノスギ、イチイヒノキ)
△メタセコイアの保存樹木プレート
△放送大学の入る旧東北帝国大学理学部生物学教室
ユリノキ
次に紹介する木は、ユリノキです。
ユリノキは、半纏(はんてん)のような形の葉を持つことから別名ハンテンボク、あるいは花の形からレンゲボク、チューリップツリーなどとも呼ばれます。
ユリノキは樹高とは関連なく根は浅根性で肉付きがよい木です。葉は薄くて硬くなめらかで、淡緑色をしています。秋の紅葉も非常にきれいです。
放送大学の北側に植えられているユリノキは、仙台市の保存樹木に指定されています。
△ユリノキ
△ユリノキの保存樹木プレート
スズカケノキ
この木はスズカケノキです。プラタナスとも呼ばれます。
樹高は10~30mに達し、葉はカエデに似て手の形のようになっています。先ほど紹介したメタセコイアの近くには、保存樹木に指定されているスズカケノキがあります。
△スズカケノキ
△スズカケノキ保存樹木プレート
ハンスモーリッシュの樹
この木は保存樹木ではありませんが、理学部生物学教室創設時にウィーン大学から招へいされたモーリッシュ教授が、1925年日本を離れる際に植えられた杉です。
当初は5本の杉が植えられ、ゆくゆくはその木々が接して1本の大きな杉の木に見えるだろうと言われましたが、現在はそのうちの2本だけが残っています。
△ハンスモーリッシュの樹
クロマツ(乃木将軍遺愛の松)
保存樹木である「乃木将軍遺愛の松」は、金属材料研究所、本多記念館の正面に植えられ、樹齢は200年を超えます。
この場所は、明治時代の軍人・乃木希典将軍が陸軍第二師団長時代に住んだ官舎があったところだそうです。
△クロマツ(乃木将軍遺愛の松)
片平キャンパス中心部
北門付近のユリノキ並木
片平キャンパスと北門付近のユリノキ並木のある仙台市道は、今後の大学キャンパスの保全や再生、活用のモデルなり得るという点が評価され、
「東北大学片平キャンパス地区」として2017年度の都市景観大賞「都市空間部門」の特別賞を受賞しました。
秋にはユリノキの紅葉も進みさらに美しさが増します。片平キャンパス来るときには、ぜひ通ってみてください。
△北門付近のユリノキ並木
萩
これは東北大学のシンボルマークのデザインにも使われている萩です。片平キャンパスの数か所に植えられています。
片平キャンパスの北門近くにも植えられているため道路沿いからも見ることができます。
△萩の花
△北門付近の萩
メタセコイア並木
北門付近には、メタセコイア並木があります。
この木々は、東北大学名誉教授西澤恭助博士の退官を記念して1956年に植えられました。春~夏ごろはこの並木のおかげで、北門周辺一帯が緑に色づいて見えます。
△メタセコイア並木
学都記念公園
この広場は通称学都記念公園と呼ばれ、旧制第二高等学校の校庭だった場所です。
近隣の市民の憩いの場として長年愛されており、春には桜が鮮やかに咲き、多く花見客でも賑わいます。
△学都記念公園・秋の様子
△学都記念公園・春の様子
大イチョウ
これはイチョウの木です。この木も仙台市の指定保存樹木に登録されています。樹齢は200年以上といわれています。
この木を実際に見てみると写真で見る以上に迫力があります。
東北大学の正門を入ってすぐ右手に植えられており、近くを通りかかっただけでも見ることができます。
△正門近くの大イチョウ
△正門と大イチョウ
クロマツ並木
こちらは、クロマツの並木です。
北門から南門を結ぶ通り沿いに、第7代東北帝国大学総長熊谷岱蔵先生の希望により、1940年に亘理郡浜吉田付近から移植されました。
ところで、このキャンパス内には、クロマツとアカマツが植えられています。みなさんはこの2つの木の違いが分かりますか。
この2つの木は幹の色や葉などに違いがあります。
△クロマツ並木
△クロマツ
△アカマツ
名前の通り、クロマツの幹は少し黒が混ざった色で、一方アカマツの幹は少し赤っぽくなっています。また、葉についてはクロマツのほうが固く針状で、アカマツは少し柔らかな感じがします。
井上先生の枝垂桜
これは枝垂桜です。この木は、東北帝国大学第5代総長井上仁吉先生の退官を記念して1931年に植えられました。
撮影時は11月だったため花はもちろん咲いていませんでしたが、春になればきっときれいな花が咲くことでしょう。
この木は、産学連携先端材料研究開発センターの中庭に植えられているため外からは見られませんが、もし機会があればぜひ見てみてください。
片平キャンパス南側
ヒマラヤシダー(別名ヒマラヤスギ)
片平キャンパスの南門の通りには、ヒマラヤスギの並木があります。とても背が高く最大60mにもなるそうです。
ヒマラヤスギは、パキスタンの国の木として有名です。
光通信発祥の地石碑と桜
片平キャンパス南側、電気通信研究所の敷地内の「光通信発祥の地」の石碑とその後ろにある桜は、東北大学第17代総長西澤潤一先生による光通信の研究や開発の業績を讃えたものです。
石碑の近くにもモミジなどのさまざまな木々が植えられていて、秋には紅葉がきれいです。
△光通信発祥の地石碑と桜
△石碑の近くのモミジ
いかがでしたでしょうか?
みなさんもこの片平キャンパス来るときには、ぜひ色々な木々も見つつキャンパスの散策を楽しんでみてください。
この記事は、職場体験で東北大学を訪れた仙台市立台原中学校の生徒3人が作成しました。
2018年11月15日
(テクルペ「東北大学コラム」より転載)