東北大学青葉山新キャンパスのマスタープラン:
ランドスケープが学問にもたらすEnergy & Synergy
芸術においても科学においても全てのインスピレーションの源は自然だといえるでしょう。
東北大は今、広大な自然に接する夢のようなキャンパスを構築できる可能性を与えられました。
また、研究主体である東北大学の学生や研究者の目は同業研究者や他の専門分野との交流に向けられています。
科学者が詩心の持ち主であり、絵描きが宇宙大系に夢中だったりするから浪漫が広がり学問、芸術、社会との接点もでき、国際的に通用する人材が育つものです。Sasaki Associatesはこのことを、とても大切なことだと考えています。大学にとっては研究を進めることと同時に国際的な人材を創出することも託された大切な使命(ミッション)なのですから。
以上のことを踏まえ、本マスタープランは、機能的には、将来を次世代に託すことのできる柔軟性をもったプランであると同時にどのフェーズにあっても上記の大学のミッションが滞ることの無いキャンパスであること、の2点を目標に掲げました。ランドスケープを大切にしたコンパクトなキャンパス配置は以上の2つの視点から見ると自然な成り行きだと考えます。
この先大学のプログラムや施設配置が変わって言っても、”自然が研究のインスピレーションの源”という観念はおそらく、今から見えない何百年先も変わらないでしょう。ですから、私たちは自然とのかかわりを持ったランドスケープが大学のプログラムと研究の接点になってこそ、日本の研究の最先端を担う、ユニークな東北大学の使命が無限の将来までシンボライズされるのだと確信しました。
よって青葉山新キャンパスが東北大学の顔となりえるのはランドスケープが常にキャンパス生活の一部にあるということが基本条件です。既存地形を大切にした青葉山新キャンパスのマスタープランは、このことが十分に反映されています。キャンパスコモンズ、キャンパスモール、イノベーションスクエア、それぞれ固有のアイデンティティーをもったオープンスペースはキャンパスの各所をつなぎながら広大なスケールのユニバーシティーパークに広がっていきます。これらのランドスケープは建物と一体となって構成され青葉山新キャンパスのEnergyの核となり、内外の研究者間のSynergyを生み出すことでしょう。