>片平キャンパスマスタープラン骨格2007についてはこちら(PDFファイル/430KB)
仙台都心に位置する片平キャンパスは、利便性を活かしてエクステンション教育を展開するとともに、市民交流の場としてもより広く公開していきます。また、東北大学発祥の地としてのアイデンティティを受け継ぎ、物質材料関係分野の国際研究拠点を構築します。
1.東北大学正門
キャンパス西側に位置する大正14(1925)年に建造された御影石の門。当時、相当な金額をかけて造られました。門が街の中心部とは違う方向に開かれているのは、仙台城を意識しているからだといわれています。
このキャンパスは、1907(明治44)年に東北帝国大学が創設された本学発祥の地であり、昭和40年代前半までは多数の学部・研究所が集まった大学のメインキャンパスでした。
青葉山・川内キャンパスへ移転整備が進められた以降は、金属材料研究所、電気通信研究所などの世界的な研究成果を挙げている研究所や大学本部を中心とするキャンパスとして、整備が進められてきました。
近年では、東北帝国大学理学部化学教室(1927(昭和2)年建設)を改修した東北大学本部棟1や東北帝国大学工学部金属工学教室(1924(大正13)年建設)の外壁を保存したWPI-AIMR本館など歴史的建造物を活かした整備やスクラッチタイルなど歴史的建造物のデザインを踏襲した新規施設の整備を行っています。また、仙台市中心部からのメインエントランスである北門周辺を、カフェテリア・購買店舗・セミナースペースなどからなる片平北門会館と一体的に緑豊かな開放的なオープンスペースに整備したりすることで「開かれたキャンパス」として学生・教職員だけでなく市民にも日常的に公園のように使われるキャンパスになっています。
戦災によって市内の近代建築は数える程しか残っていません。その約半分の20棟ほどがこの片平キャンパスに集中しています。木造やレンガの建物、スクラッチタイルの貼られた建物、丸みを帯びて柔らかい印象を受けるものから、柱が整然と並び緊張感を与えるものまで―近代建築はさまざまな時代の面影を今に伝えています。
片平キャンパスへ足を踏み入れると、このような建物がつくり出す、独特の雰囲気に包まれ、学都仙台を体感できます。
この近代建築を保存・活用し次の世代へ残そうと市民団体が積極的な活動を展開しています。こうした活動のおかげもあって2004(平成16)年には、このキャンパスのもつ豊かな緑と近代建築が評価され第9回仙台市都市景観大賞、せんだいデザインウィーク・街中デザインコンクールにおいて「伝統デザイン賞」を、2017(平成29)年には平成29年度都市景観大賞都市空間部門特別賞を受賞しました。
さらに2017(平成29)年にはキャンパス内の5つの建物が国の「登録有形文化財」に指定されました。
・片平キャンパスの歴史的建造物、記念碑、保存樹木についてはこちら(PDFファイル/5.3MB)