東北大学新キャンパス構想

平成8年5月28日    
東 北 大 学    

 東北大学は,10学部,独立研究科を含む12の大学院研究科,7研究所,各種の研究センターを有し,教職員約5,200人,学生16,000人余りを構成員とする我が国でも有数の国立総合大学である。また,本学は,創立以来,幾多の独創的研究成果 を挙げるとともに,数多くの有為の人材を育て,我が国及び世界の発展に寄与し,地域社会の活性化にも貢献してきた。

 しかしながら,現在,本学の主要キャンパスは,片平地区,川内地区,青葉山地区,星陵地区及び雨宮地区の5地区に分散した,いわゆる蛸足の状態を呈しており,このことは,本学のさらなる発展にとって大きな障害となっている。すなわち,本学は人文社会科学から自然科学に至る広範な学問分野の人材及び教育研究施設を擁しているものの,主要キャンパスが分散しているために教育研究上の交流が困難で,総合大学としての利点が十分に生かされていない。
 また,それぞれの地区の建物,敷地が老朽・狭隘化しているため,今後の教育研究の発展に必要な施設の整備拡充が困難になっているばかりでなく,環境や景観上も望ましいといえない状況にある。

 本学が,地域社会はもとより,我が国及び世界に貢献する主要教育研究機関として,今後さらなる発展をとげるためには,次のような指針に基づき,新たなキャンパスづくりを進める必要がある。

 第一に,総合大学の利点を生かした教育研究を行い得るような,一体的キャンパスをめざす必要がある。とりわけ,近年実施した教養部廃止や現在進行中の大学院重点化による大学院教育研究の質的・量 的充実をはじめとする大きな改革の成果を十二分に発揮し,また,学際的,先導的研究の推進という,国内外から本学に寄せられた強い期待に応えるためには,大学内の不断の有機的な連携が容易に行い得るようなキャンパスが求められる。
 第二に,新たなキャンパスは,自然と調和した美しい景観が望まれる。これは,自然環境の保全や美しいまちづくりという社会的要請に沿うとともに,創造性あふれる教育研究の場をつくるためにも欠かすことのできない要素である。
 第三に,新キャンパスは,本学の学生,教職員が利用するだけではなく,地域社会に住む多くの市民が文化活動や散策の地として享受できる場とする必要がある。また,広く国内外の研究者,学生,社会人がその教育研究施設等を利活用できるような場とする必要がある。このように社会に開かれた大学をめざすことは,本学の教育研究の発展のためにも重要であろう。

 このような理念を持つ新キャンパスを実現するためには,現川内地区,現青葉山地区に青葉山県有地及び一体的な活用が期待されている隣接地をあわせた青葉山丘陵地帯に全学の主要教育研究施設を展開することが必要である。すなわち,青葉山丘陵地帯という一体的な場があって,はじめて,本学は,卓越した教育研究拠点大学にふさわしい,世界の最先端の学術研究と創造性あふれる人材の育成にあたることが可能となる。
 また,豊かな自然を保全し,さらに,ユニバーシティ・パーク,ユニバーシティ・ミュージアムなどを整備して,自然及び地域社会と共存する開かれた大学をめざすことができる。

 

 このような新キャンパスにとって,快適で迅速な通学・通勤手段の確保は不可欠であり,大量輸送が可能な新交通体系の速やかな整備が強く求められる。このことはまた,市民が本学を利用し,国内外の人々が先端的な教育研究拠点大学としての本学を利用するためにも是非とも必要である。
 新キャンパス内の教育研究施設等の配置にあたっては,教育面では,学部学生及び大学院生が,総合大学の持つ利点を生かし,教室内外において,分野を超えて豊かな知的刺激を相互に与え合い,広い視野と高い教養を身につけられるよう配慮する必要がある。
 また,学生が全学教育と専門教育を併行して円滑に受けられるよう,教育施設の適切な配置と学内の移動手段の整備を進めることも必要である。
 さらに,全学教育の充実,専門教育の改革,大学院重点化や社会人コースの設置をはじめとする大学院教育の拡充を今後一層促進し,生涯教育等新たな社会的要請にも十分応え得るようなキャンパスづくりに努めなければならない。
 研究面においても,人文社会科学と自然科学の両分野の研究が一体的なキャンパス内で展開されることにより,学際的研究が活発化するばかりでなく,新たな学問分野の創出の機会が拡大されるよう,研究施設の配置を行うことが求められる。
 さらに,管理運営面においても,全学的な会議や事務処理の円滑化・効率化が図られ,加えて,全学におけるエネルギーセンター等の共通施設の集約化による資源やエネルギーの効率化を実現できるような施設,設備の配置が必要である。

 なお,星陵地区の各部局も長期ビジョンとしては,教育研究の一体化という本理念に沿って検討しておくべきものと考えられる。
 また,教育研究機能をより一層高めるためには将来,新キャンパス内の再配置も検討すべきであろう。
 さらに,これらと並行して老朽化した既存施設の改修や再開発も重要な課題である。

 以上のことを踏まえて,新キャンパスにおける教育研究機能の体系を示したものが下記の概念図であり,このような理念に沿ったキャンパスづくりの推進が望まれる。


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